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死の外科医と四季姫

第9章 番外編 誕生日のプレゼント


誕生会当日。ハートの海賊団はある酒場を貸し切ってローの誕生日を祝っていた。

「キャプテン誕生日おめでとう!!」

「船長〜! これ誕生日プレゼントです!」

最初のうちは各自プレゼントを渡していたり祝いの言葉を述べていたのだが、酒が入るとただのどんちゃん騒ぎに成り果てた。

終いには船員による船長自慢が始まった。

この会の主役は酒場の隅で一人静かに酒を飲んでいる。
そんなローに近付いたノエル。

隣にちょこんと座り、ローの肩に頭を預けた。

「どうした? また酔っ払ったか?」

「ちっ、違うよ⁉︎ その……誕生日プレゼントを渡しに来ました…………」

「お前がいればそれでいいんだけどな」

ノエルの頭を撫でると、気持ちよさそうに目を細める。その仕草を見て、ここでキスしたくなる衝動に駆られた。

「いっつも貰ってばっかりだもん。何かお返しがしたいの。でもね、船に忘れてきちゃったから、その…………一緒に取りに行ってもらえない……かな?」

惚れた女に上目遣いのおねだりをされて、断れる奴がいるのだろうか。

ローは純粋にそう思った。そして、断れる奴がいるなら会ってみたいとすら思った。

「捕まってろ」

ノエルを抱き寄せたローは、船員にバレないようにシャンブルズで酒場を出た。

外に出ると、ノエルを横抱きにして船へと向かった。

(誘っちゃった…………! けど……頑張れ私!)

少しでも恥ずかしさを和らげようと、ローの首に手を回し胸元に顔を埋めた。
そんな事情を知らないローには、ただただ可愛いと思わせるだけであったが。

そんな事をしているうちに、あっという間に着いてしまった。

ローから降りたらノエルは、ローの手を取り彼の部屋へと歩いていく。

「ノエル……?」

中に入り、ローがドアを閉めるのを確認すると、ノエルは着ていたワンピースをばさりと脱いだ。

その下に着ていた物を見て、ローの目が丸くなる。

「ぷ、プレゼントは……わたし、です」

若干震えながらローに抱きついたノエル。
恐る恐るノエルを抱きしめるロー。

ふにゅり、とノエルの胸がローの胸元で潰れた。
その感触にくらりとする。

「お前…………この服どうした」

ノエルが着ていたのは、ベビードールだったのだ。
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