第7章 通じ合った想い
目を開けると、ローの腕の中だった。
起き上がろうにも腰をガッチリとホールドされており、無理だった。
穏やかなローの寝顔は、起きている時とはまるで別人のようだった。
見つめていると愛しさが増して、ノエルはローの額にキスをした。
だが
(どうしよう…………なんか、物足りない。昨日の、舌入れるちょっとやらしいちゅー、して欲しい……)
私、どんどんわがままになってくかも、と呟きながら、ローの頬にキスをする。
「むしろもっとわがままでいいと思うがな」
「え⁉︎ んぅっ」
起きてたの? そう言おうとしたノエルの唇は、ローのそれによって塞がれた。
「んっ、ふぅっ……あ、ん…………」
「…………ん………………」
くちゅり、と唾液が絡み合う。舌先を吸われると、飲み込みきれなかった唾液が首筋を流れた。
「っふぁ………………!」
(いきなりこんな…………いや、して欲しかったけど…………ヒェェ)
「ハッ…………おはよう、ノエル」
「おはよう…………いつから起きてたの?」
「お前の寝顔を眺めてようと思ってたら、熱烈に見つめられたんでな。しばらく様子見してた」
ボンッ! とノエルの顔が一気に赤くなった。今にも湯気が出てきそうな勢いだ。
起き出して着替えるローを見て、同じく起きようとしたノエル。が、身体がまったく動かない。
それどころか、腰や腹が痛い。プルプルしている。
「あァ、ちょっと待ってろ」
素早く着替え、ノエルを慣れた手つきで着替えさせた。
「ギリギリだね…………」
昨日ノエルが着ていたのはワンピースタイプのブラウス。散々付けられたキスマークは、それでギリギリ隠れる程度だ。
しばらくの間、チューブトップは着れないだろう。
「朝メシ食べたら船戻るぞ。あいつらが待ってる」
「うんっ!」
ルームサービスのサンドウィッチとおにぎりを頼んだロー。
ノエルを膝に乗せ、左腕で支えてやりながら右手でおにぎりを食べる。さらには左手でノエルにサンドウィッチを食べさせた。
何とも器用なものだ。
「美味しい〜」
ニコニコしながらサンドウィッチを食べるノエル。前に比べれば随分と食べる量は増えた。
(それでもまだ少食だし、細っこいけどな)