第4章 芽生えた気持ち
「ローの事が嫌いになった訳じゃないよ。でもね、さっきから私おかしいの。ローの顔見るだけでドキドキするし、顔見たらなんか…………キューってなるんだもん。イッカクちゃん、私、どうしたらいい?」
話を聞いたイッカクは、そっかー、と言いながら内心とてつもなく悶えていた。
(何この子可愛いッ……!! 私がどうしたらいい⁉︎ てかノエルちゃん、初恋なんだね! もうすっごい可愛い! 私がキューってするよお!!)
「私はどうしたらいいかわかってるけど、それはノエルちゃんが自分で行動しなきゃ意味ない事なんだ。だから、私は頑張れとしか言えないけど、相談ならいくらでものるからね! あと、それはおかしくはないから安心して?」
イッカクの言葉に安心したのか、ありがとうと呟いてノエルは眠ってしまった。イッカクは彼女の頭を撫でながら、とりあえず怪我の手当てなら私でもできるしペンギン達もいるし、船長はしばらくこの部屋出禁で。と考えていた。
「にしても…………」
ベッド脇に置かれた、ノエルが持っていた荷物。試しに持ってみると、すごく重かった。よくこんな物を持ってこようと思ったものだ。
ノエルの額のタオルを変えてから、イッカクは部屋を後にした。外にはハラハラとしたペンギンとシャチがいた。会話は聞いていなかったらしいが、ノエルの容体は⁉︎ とイッカクの肩を掴んで聞いてくる。
「熱あるだけだから、平気だと思うよ。しばらくは私達でノエルちゃんの看病しよう。船長はこの部屋出禁でよろしく!」
落ち着け! とシャチの頭に軽くチョップしてから、廊下を歩いていたベポの元へ行く。ベポはベポで、ノエルをとても心配していたのだ。イッカクから状況を聞き、ホッとした。
「よかったよ、ノエルが無事で。でも、キャプテンが出禁ってどういう事?」
「しばらくノエルちゃんに船長を近付けちゃダメだよって事! いい?」
「アイアイ! わかった!」
ベポと別れたイッカクは、ノエルのために何か作るか! とキッチンへ向かった。出来上がった料理を持っていくと、ちょうどノエルが起きており、美味しい、ありがとうと言いながら食べてくれた。
(妹にしたい……。可愛い)
と密かに思っていたイッカクであった。