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死の外科医と四季姫

第3章 新しい日常


「キャプテーン、います?」

医務室に行ってみたが、ローはいなかった。二人して首を傾げ、ローを探す。

「そういえばその服割とサイズでかいよな。どうしたんだ?」

「ローが……持ってきてくれた」

ローからしたら普通のサイズなのだが、ノエルにしてみればとても大きい。被るタイプのそのパーカーは、ワンピースと言っても過言ではない。もちろん袖は余る程なので、捲っている。

「キャプテンが? ふーん……。サイズ合ってなさすぎな」

「だよね」

落ちてきた袖をプラプラと振り遊んでいる。お姫様抱っこというシチュエーションで、恋人に見えないのは何故なのだろうか。

ローの部屋に行ってみると、探していた人がいた。相変わらず本を読んでいる。

「キャプテン、ノエルちゃんの怪我の手当てと、新しく怪我作ったので処置お願いします」

「何で増えた……」

先程転んだ経緯を話すと盛大にため息を吐いた。挙句ドジかよ……。と独り言を呟かれ、少しノエルは傷付いた。

「じゃあ医務室行くぞ」

ペンギンからナチュラルにノエルを受け取り、医務室に向かうロー。出会った時は担ぎ上げたが、今は横抱きだ。ノエルはそれが嬉しくもあり、気恥ずかしくもあった。

「さっきは悪かった」

当然、ノエルの裸を見た事だろう。思い出したノエルは顔をこれでもかと言うほど真っ赤にする。

「気には………………してない」

今の間は何だ、と聞こうとしてやめた。流石にデリカシーがない問いかけだ。

医務室に着くなり服を脱がせようとしてくるローに、ノエルは焦る。色々ありすぎて忘れていたが、パーカーの下には何も着ていないのだ。下着すら着ていない。

ローの手を掴むが、男女の力の差と言うものには勝てず、頭の上で手を一纏めにされた。しかも片手で。

服の裾に手をかけられ、ゆっくりと捲られていく。ジタバタと暴れてみるが、全くと言っていいほど効果がない。

「オイ、治療するっつってんだろ。暴れんな」

ローにやましい気持ちは一切ないのはわかっている。が、ノエルも年頃の女である。恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。

「んやっ……!」

ふと、ローの手が太ももに触れた。声が勝手に口から漏れ、足がビクリと痙攣する。

「だめ、ロー…………。この下、何も着てないの!」
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