第12章 ただいま
「完全復活!!! ありがとう、コアラ、サボ」
「いやいや、こっちとしてもノエルの事見つけられたしよかったよ」
「私も!! ノエルちゃんと仲良くなれてとっても嬉しかったよ!!」
あれから数日。ノエルの熱は完全に下がっていた。
世話になった礼を言い、ノエルはポーラータング号に帰る準備を着々と進めていた。
「もう行っちゃうなんて寂しいよ……」
「ごめんね、でも海は広いから。また、何処かで会えるよ!」
お世話になりました、とノエルは荷物を纏めて大空へ羽ばたいた。
翼が大きくなったお陰か、前よりも早く飛ぶ事が出来た。
数時間もしないうちに、シャボンディ諸島へと到達した。
「さーて、ポーラータング号に帰りたいのはいいんだけど…………何処にあるんだろう」
どうやって帰ろう……と、ノエルが悩んでいると、ある事が思い出された。
「そいやイッカクちゃんに水晶預けたんだよね」
あの水晶の中の羽は、初代四季姫のもの。つまり、四季神本人の羽。
歴代四季姫の羽は、本人が死ぬと消えてしまうのが、四季神の羽だけは消えなかったと言う。
そしてそれは四季島を指す指針の役割を果たしている。
四季姫達はその羽の場所が手に取るようにわかるのだ。
ノエルはその羽の在り処を探るように目を閉じた。
やがてノエルは、自分と羽を繋ぐ二本の線が見えた。
片方は言わずもがな四季島を指している。つまり、それとは別の方向を指している方に向かえば、ノエルの帰る家が待っている。
「よし、早速飛んで行きますか! と言いたいんだけどね」
流石にもう夕方。一泊休んでから向かおうかと、ホテルを探しにシャボンディ諸島を歩く。
ベタベタとする樹液に脚を取られそうになり、面倒だったので飛んで移動した。
途中向かってくる人攫いを倒しながら進んでいると
「あらら、随分と派手に暴れるじゃない」
声が聞こえてきて、振り返った。
その先にいた人物に、目を見張った。
「青雉……⁉︎」
海軍大将である青雉が、そこに立っていたのだ。