crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】
第2章 深夜の雨※
「うっ」
頬を殴られた衝撃で地面に倒れ込んだ。
激しく降る雨がアウラの身体を濡らす。
口からは鉄の味がした。
「なんだ、いいのは威勢だけかよ」
ゴロツキは下品に笑うと
一人はアウラを押さえつけ、
もう一人はアウラに馬乗りになった。
「なんだお前女なのか。」
「この下衆が・・・!」
アウラはできる限りゴロツキを睨みつけ、
唾を吐きつける。
「ハハッ、薄汚いから分からなかったぜ。
それじゃあしっかり払ってもらわないとな」
ビリッ
力技でアウラの服が破かれる。
嫌だ。こんなヤツらに・・・・・・
「やめーーっ」
声を出そうとすると
身体を押さえつけていたもう一人に
胸を殴られる。
息ができない。
苦しさから生理的な涙が頬を伝う。
目の前の二人が何やら話しかけているが
何も耳には入らなかった。
きっとことが終われば
川にでも捨てられる。
私の人生はなんだったんだろう。
大切な人達を失い、何も成し遂げず
盗みを働きながら図太く生き続け・・・
最後はこんな。
「そこで何をしてる!」
全てを諦め意識を手放そうとした時、
背後から声が聞こえた。