• テキストサイズ

crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】

第9章 巨人の研究





アウラは咄嗟に
ハンジを引き剥がした。


突然の事で心臓が大きく音を立てている。


引き剥がされたハンジは
顔を上げると不服そうに唇を尖らせる。


「すごく落ち着いたんだけどなあ」

「部下にすることではないと思います・・・」


アウラは五月蝿く音を立てる心臓を
沈めながらハンジに書類を渡した。



多いと思っていた書類も
いつの間にか最後の一枚となっていた。


「これで終わりですね。」

「本当に!? よっしゃー! 」


ハンジは素早くサインをすると
モブリットに手渡した。


気がつくと時計の針は23時を回っていた。


明日の訓練も早い。
早く部屋に戻って体を休めたいところだ。


「もうこんな時間か。
私はアウラを部屋まで送るよ。」

「では私は書類を提出してきます。」


モブリットは出来上がった
書類をまとめると結構な量のあるそれを
難無く持ち上げた。


「そんな。
送っていただかなくても大丈夫です。」


わざわざハンジさんに部屋まで
送ってもらうわけにはいかない。


アウラは咄嗟に
両手を振り、断りの申し出をしていた。


「こーら」

「あいたっ」


そんなアウラの額を
ハンジは軽く小突いた。


ジンジンと額が痛む。


「兵舎とはいえ、女の子の夜の一人歩きは危険だからね。
ましてやアウラは普通の兵士とは違うんだし。」


そんなに心配して頂かなくても・・・・・・
そんなアウラの胸の内を見透かすように
ハンジは続けた。


「私も宿舎に戻るし
そのついでだから気にする必要はないよ。」


/ 63ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp