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crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】

第9章 巨人の研究





モブリットと別れ、
ハンジとアウラは二人廊下を歩く。


そろそろ日付も変わる頃だと言うのに
明かりが漏れている部屋が
所々存在している。


「まだ仕事をしてる人もいるんですね」


「そうだねー、
エルヴィンなんかはいつも遅くまで仕事してるよ。
調査前なんかになるともっと増えるよ。」


“ 調査前 ”という言葉に
アウラはハッとする。


そういえば調査兵団というくらいなのだから
壁外調査が主な活動内容のはずだ。


次の壁外調査はいつなのだろう。
きっとそれがアウラの初陣になる。



「ハンジさん、次の壁外調査は・・・」

「次は二週間後だよ。」

「二週間・・・・・・」


あと二週間しかない。
その事実にアウラは
背筋が伸びるように感じた。


この二週間で
吸収できるものは全て吸収しなければ。


だが、
それと同時に好奇心も
アウラの心を満たしていく。


ハンジさんが言っていた
壁外の美しい景色をこんなにも早く
自分の目で見ることができる、この人と一緒に。



「アウラ?」


暫く黙り込むアウラを
ハンジは心配そうに覗き込む。


「私、それまでにもっと腕を磨きます。」


しっかりと目の前を見据えたアウラの様子に
ハンジは瞳を丸くし、
そして吹き出した。


「くく・・・、そんなに気負わなくていいのに」


ハンジはアウラの肩に手を置いた。
真剣な瞳でアウラを見据える。


「色々な所で聞いたかもしれないけど
新兵は行って帰ってくるだけでいい。
それで一人前さ。」

「でも・・・・・・
巨人の捕獲はいいんですか?」


アウラの肩に置かれたハンジの指が
ピクリと揺れる。


「ああ・・・・・・それね。」





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