crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】
第9章 巨人の研究
ハンジを執務机の前に座らせると
モブリットとアウラはその両端に立った。
アウラが書類を手渡し、
それにハンジがサインをすると
モブリットがチェックをする
リレー方式だ。
「はああ、
早く巨人を捕まえて実験がしたいなぁ」
モブリットに尻を叩かれながら
書類にサインをしていくハンジは項垂れた。
仕事を始めてから
ずっとこの調子なのだから
なかなか書類の山が減らない。
モブリットもこの様子には
呆れているようだった。
「・・・・・・この仕事さえ終わればいくらでも付き合いますよ。」
「本当に!?」
瞳を輝かせるハンジに
モブリットは何度目かの溜息を吐いた。
「早く終わらせましょう。」
「了解、よーしやるぞお」
先程とは打って変わって
上がったハンジの仕事のスピードに
アウラは小さく吹き出した。
ハンジさんは案外、
扱いやすい人なのかもしれない。
「アウラは大丈夫か?
急に仕事に付き合わせてしまって」
「いえ、三人でやった方が早いですから」
「本当にいい子だよ、アウラは!」
ハンジは隣に立つ
アウラを勢いよく抱きしめた。
「誰かさんにも見習って欲しい・・・・・・」
「誰のことですか。」
モブリットは軽くハンジを
横目で見ると書類をチェックしていく。
ハンジはアウラを抱きしめたまま
その身体に擦り寄った。
「はあ・・・・・・、
アウラからなんかいい匂いがする・・・気がする。
・・・このまま寝たい。」
ハンジはアウラの身体に
顔を埋めると瞳を閉じた。
「な、何してるんですかハンジさん!」