crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】
第7章 時期外れの新兵
「頼みたいことですか?」
「そう!」
だが、アウラは
ハンジの様子など気にする気配もない。
ハンジに頼られたことがただただ嬉しいのだ。
「ハンジさんが仰る任務なら
なんでもやり遂げます!」
「本当に? 本当にいいの!?」
「分隊長、まさか・・・」
モブリットの制止も聞かず
ハンジはアウラの両手を掴んだ。
「アウラにしか頼めないことなんだ・・・。
私は次の壁外調査で・・・・・・っ、
巨人が欲しい!!!」
「は?」
「巨人が欲しいんだ。
いや、巨人が望みすぎだって言うんなら
せめて腕・・・・・・いや、足でもいい!それに触れられたらきっと何かが頭の中で繋がりそうな気がする・・・・・・っ!
いや、でもやっぱり巨人を今度こそ生け捕りにして前の子達ではできなかったあんなことやこんなことを・・・・・・っ」
早口で次々と喋り出すハンジに
アウラは唖然とする。
モブリットは大きく溜息を吐くと
眉間に皺を寄せた。
「すまないアウラ。
分隊長は巨人のこととなると探究心のあまり・・・・・・」
「ハンジさんは巨人のことが好きなんですか?」
「いや、ただ研究対象として興味があるだけ、
・・・・・・らしい。」
「だからっ、
アウラにも巨人捕獲に協力して欲しいんだ!!」
二人で乱心する分隊長を見つめていると
ハンジの背後に小さな影が現れる。
「寝ぼけた事言ってんじゃねえぞ奇行種」
「リヴァイ! 私は何も寝ぼけてないよ。
巨人の生態を知ることは人類にとって必ず有益な情報になる。」
それに私は奇行種じゃないよ。
と平然としているハンジを
リヴァイは軽く睨みつけた。