crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】
第5章 身の振り方
「私は訓練兵団所属アウラ・カーリタースです。
訳あってその場しのぎの生活をしていたところ
ハンジ分隊長に助けていただきました。」
「なら訓練兵団に戻って卒団を待ってから
調査兵団に入団すればいいだろう」
「私は、今がいいのです。」
アウラの人が変わったように断固として言い切る姿に三人は目を見張る。
エルヴィンは考え込むように黙り込んだ。
リヴァイは静かに舌打ちをする。
「とんでもねぇもんを拾ってきたな。
なあ、クソ眼鏡よ。」
「・・・っ、エルヴィンの言う通りだ。
アウラ、せめて訓練兵団に戻ってから」
「私は今、ハンジさんと壁の外を見に行きたい。」
その言葉にハンジの動きが止まる。
エルヴィンは溜息を吐くと、
瞳を伏せた。
「壁外をそんなに見たいか」
「はい」
「あそこには巨人が蔓延っていてもか」
「構いません。」
「そうか・・・・・・」
エルヴィンは天井を見上げた。
アウラの真っ直ぐな瞳。
人の探究心は止められないことをエルヴィンは知っていた。
その様子を静観していたリヴァイが口を開いた。