crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】
第5章 身の振り方
「アウラ、大丈夫?」
事情を知るハンジは
団長室の扉を開ける前にアウラに声をかけた。
「大丈夫です」
強い意志を感じさせる瞳をしたアウラを
ハンジは不思議に思うがノックをし、扉を開けた。
部屋の奥ではエルヴィンが
書類を片付けながらこちらに目を向けた。
アウラはエルヴィンを
視界に捉えるとすぐさま敬礼をした。
「何を・・・・・・」
その様子にエルヴィン含めリヴァイとハンジも
目を丸くした。
「エルヴィン団長、ハンジ分隊長、リヴァイ兵士長。
この度は何処の馬の骨とも分からぬ私を
助けていただきありがとうございます。
・・・ハンジ分隊長には数々の非礼、本当に申し訳ありません。」
「そんなの気にしてないのに」
ハンジは呆れたように笑うが
次の一言で表情が曇った。
「こんなことを言える立場ではないのは分かっています。
ですが、エルヴィン団長。
私を調査兵団に入れてください。」
「な・・・っ、駄目だって言っただろ!?」
隣で喚くハンジを他所に
アウラの瞳はエルヴィンだけを見つめていた。
「・・・君はなんだ?」
その様子に
エルヴィンも真っ直ぐアウラを見つめた。