crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】
第5章 身の振り方
「おい、風呂はいつまでかかってる。」
声からして昨晩の
黒髪で目つきの悪い兵士のようだった。
「せっかちだなー」
ハンジは立ち上がると扉へと向かう。
アウラの髪はいつの間にか乾いていた。
扉を開けると三白眼がアウラを捉える。
「エルヴィンが痺れを切らしてる。
早くしろ」
“ エルヴィン ”と呼び捨てにする様子に
この人も位が高いのだと感じる。
調査兵団で背が低くて黒髪の位が高い人・・・
もしかして・・・・・・
「リヴァイ兵士長、ですか?」
「あ?」
アウラの問いに
リヴァイは怪訝そうに眉間に皺を寄せた。
「特に他意は・・・・・・
もしかしてリヴァイ兵士長かもと思っただけです。」
リヴァイはアウラをジロっと
見つめる。
「色眼鏡で見られるのは好きじゃねぇ。
・・・口を動かしてる余裕があるなら早く歩け」
アウラは立ち上がると
ハンジとリヴァイに続いた。
団長室で自分の運命は決まる。
きっと、開拓地か訓練兵団に戻される。
だがアウラにはここでやりたいことがたった今できた。
ハンジ・ゾエ分隊長、
この人と壁外へ行きたい。
この人のためなら、命だって懸けられる。
アウラはハンジの後ろ姿を見つめると
拳をにぎりしめた。