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crazy for you.【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】

第3章 煤まみれの少女再び





「聞きたいのはそんなことじゃない、か」


苦笑するとハンジは胸元から
短剣を取り出し、アウラの手に握らせた。



「悪かったね。
君の商売道具を奪ってしまって」



悲しそうに笑う彼女は後悔しているようだった。
静まり返る室内に
なんとか場を持たせようとハンジは笑う。


「君、女の子だったんだね。
煤まみれだし乱暴だからてっきり男の子かと」

「なぜ・・・・・・?
私を開拓地か兵団送りにしたかったんでしょ」

「それは・・・・・・」


ハンジはバツの悪そうに笑った。


「できればそうして欲しかったよ。
すぐにでも連れて行けばよかった。
って思ってる。
でも、今こんなことになってるのは私が短剣を奪ってしまったからだからね。」


ハンジはアウラの頭をクシャクシャと
撫でると立ち上がった。


「君は風呂にも入った方がいい。
明日また来るよ。」


おやすみ、というと彼女は部屋から出ていった。


他人のことなど
放っておけばいいのに。


ハンジ・ゾエ・・・・・・
変な兵士だ。


アウラは返された短剣を握りしめると
瞼を閉じた。

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