第2章 甘い時間
「そういい子だね、恥ずかしがり屋な君は本当に可愛いよ。」
ぎゅうーっと優しく後ろから抱きしめられる。
バクバクになる心臓と、お風呂入る前から赤みがかった顔した自分が恥ずかしくて、何とか平然を装いたくて言葉を探す。
「あ。な、なんかいやらしぃ事、か、考えてるんじゃないでしょうね?」
あくまで上からで対応する。死ぬほど恥ずかしくて、可愛くない言葉しか出てこない。
「え?そんなやらしくなんかないよ!僕の腕の中にいるけど君の背中しか見えないし、タオルまいてるしー・・・。」
何だか抱きしめる腕に少し力が入ったきがした。
「でも、濡れてる髪の毛はちょっとキュンとするかも。ココのうなじにかかってる濡れた髪の毛とか・・・ドキドキするね。」
私のうなじにかかる毛を指先で遊ぶように触る。くすぐったい。
「れ、嶺二くすぐったいよ・・・。」
「それに、君の右の肩のところ・・・。この前に僕が付けた印だね?薄いけどまだ残ってる。」
うなじから流れるように肩に移動する指先は嶺二のつけたキスマークで止まる。全身がその指先に集中してるのが自分でもわかった。
身体の熱がだんだん上がってふわふわしてくる。
「ねぇ、ココまた印付けていい?」
嶺二の唇が肩に触れる。
一瞬驚いてびくっとすると、嶺二は肩にちゅっちゅっと可愛らしく音を立てながら軽くキスを数回すると、ゆっくり唇を押し当てたり離したりして、私の反応を見ているような気がした。
「消えて欲しくないなー。」
甘く耳元で、耳に唇が当たる距離で語り掛けてくる。
「僕のものって見せ付けたい。」
もう、のぼせそうな程くらくらする。
「あ・・・。あんまり目立つのは、ダメだからね・・・。」
頑張って恥ずかしくて死にそうな中、声を絞り出す。
私の言葉に答えるように、深く、強く、ぎゅーっと嶺二が後ろから抱きしめてくるのと、肩への熱い痛みが一緒に襲ってくる。
「ーーーーーンンッ。」
思わず声が漏れてしまう。
付け終えたのか嶺二の唇が離れると、今度は首の後ろ、右肩、左肩に優しいキスが後ろから降ってくる。
最後に後頭部にちゅーっと長めのキスを終えると、ひょこっと私の左肩から顔を覗かせる。
私も、ゆっくり嶺二の方を見ると、コツンっと額を合わせてきた。