第1章 華麗なるお風呂のエスコート
とりあえず荷物を部屋に置いてアクセサリーを外し、その足で脱衣場に向かった。化粧落としていると、嶺二の鼻歌が聞こえてくる。
ちゃぽちゃぽと水を鳴らしながら歌っているのは多分マジLOVE2000%だ。
本当にST☆RISHの事も好きなんだな・・・って思うと不覚にも優しい気持ちになってしまう。
「よし。」
若干お腹をへこませて鏡の中の自分に喝を入れる。
恐らく、お風呂が長くなるような気がして気合いを・・・
いや、ここは素直にさらけ出そう。
期待を込めた。
ガララララーーー。
優しめに扉を開けると、嶺二が浴槽に肘をついてこちらを待っていたように見つめていた。
「やぁ、いらっしゃいマイガール。」
恥ずかしさを堪えながらよそよそしく「お、お邪魔します・・・」とゆっくり嶺二の待つ湯船に浸かる。
対面するような形でお湯に浸かると片手を引かれる。
「僕の腕の中においで。」
一気に心臓が跳ねる。けど、恥ずかしい。
「・・・ぇぇッ?」
どんなリアクションしていいのか分からなくてとっさに出た言葉がこれだった。それでも嶺二は手を放さず見つめたままだ。
「お願い。・・・こっちにおいで?」
死ぬほど恥ずかしいのと、鼓動の高鳴りを必死に押さえて、嶺二の胸に背中を預けるように嶺二の股の間にちょこんと座った。