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怖いのは苦手です【ONE PIECE】ドフラミンゴ夢

第1章 Drop down




都会のど真ん中に住んでいるのに、海が見えるはずがない。
混乱した頭でもそれはわかる。

しかし、何が起きているのか、ここがどこなのか、考えたいのに頭が麻痺して言うことを聞いてくれない。








(嘘だ、何で、何がどうなってるの!?)







申し訳程度についていた崖っぷちの手すりに掴まりながら目を凝らして海を見つめる。



夜とはいえ、見間違いようもない。
それは間違いなく海だった。




軽く15分は経ったであろうか。
未だに目の前の景色を受け入れられず、ボーッと海を眺めていると、突然グラリとした揺れを感じる。


地震だと思った時にはすでに遅く、身体は手すりの反対側の宙に放り出されていた。

落下までの浮遊時間がやけに長く、理解できていない状況に加え突きつけられた現実。



助けを呼ばなければと思うと同時に、叫んだところで間に合わないという思いから、『死』という漠然とした確信が頭を支配する。


浮遊している今もそれを冷静に考えていて、「何だ、死に際なんて案外あっけないものなんだな」とか「この高さなら気を失えるかな… きっと痛くないよね」と、死を受け入れている自分もいた。



『大丈夫、意外と穏やかな最後だ』と思ったのもつかの間、ガクリと引力に従って落下し始めた身体。





(ごめんなさい。
穏やかとか安らかとか無理でした!!

ってか、怖いし死にたくないよ!!)










「いやぁぁぁぁーーー!!!!」









こんな最後の最後で、人生で初めてではないかというほどの大声を出した私は抗う術も無く、ビル十数階分はあるだろう高さを落ちていった。


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