怖いのは苦手です【ONE PIECE】ドフラミンゴ夢
第2章 Who are you?
「ドフラミンゴ、覚悟しやがれ」
息巻いた男達が声を上げる。
その手に持っているのは、剣や拳銃。
はゾクリと先程の比ではないほど背中が冷たくなるのを感じた。
目の前にある現実を信じたくない心が、武器がレプリカである理由を探すが、そんなもの、見つかる気配はない。
よくあるドラマや漫画なら「お前は影に隠れてろ」と女を逃がしてくれるシーンとは思うが、微塵も緩まない男の手。
男達の剣幕すらどこ吹く風と涼しい表情を浮かべ、片手でを抱えたまま、敵と思われる相手にニヤリと笑みを向けている。
(まさか……私を盾にするつもり??)
辿り着いてしまった考えが恐ろしすぎて、違うと言って欲しくて助けを求めるようにピタリと男に身を寄せる。
無意識にシーツだけでなく彼の服まで握り締めていたらしく、引っ張られる感覚で視線を落とした男は怯えるを見て楽しそうに声を上げて笑うとシーツを引っ張りの視界を遮る。
「…フフフ、そんなに怖がるな。お前は今、最も安全な場所にいるんだからな」
そうは言われても、これまでの人生、武器を向けられた事などないは逃げる術も戦う術もない。出来ることはまだ名も知らぬ目の前の男にしがみつくだけ。
言葉も出ないほど脅える姿を憐れに思ったか、男はを抱く腕に力を込めた。
もはや、僅かな視界は男の胸元だけになる。
その時、
叫び声、怒声、罵声にあわせ、一斉に響く金属音。
間髪入れずに破裂するような激しい音が次々と響き渡る。