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怖いのは苦手です【ONE PIECE】ドフラミンゴ夢

第2章 Who are you?





こうなっては、に出来ることなど言われた通り大人しくしがみついていることしかない。

手の感覚がなくなることにも気付かず、全力でしがみつく。


いつ銃弾や剣先が自分に届くかわからない。



だが、幾つもの呻き声や驚きの声が聞こえると、激しい物音は急に収まった。







「うるせぇなぁ…。すっかり怯えちまったじゃねぇか」







独り言のように独特な笑い声を響かせながら男が言えば、そこに広がるのは阿鼻叫喚。

男が動いた気配もないが状況がガラリと変わったことは間違いない。





シンと静まり返る室内。

一体何があったのか。


興味から周りの様子を伺おうと身体を起こす。







「わっ」






シーツを掻き分けようとしたところでガクリと身体が揺れ、思わず男の方へぶつかるようにくっついてしまう。

規則的な振動。

ゆっくりだが男が歩いているのだとわかった。
そして、遠くから足音が近づいていることにも気付き、再びシーツを握る手に力が入る。



近付く足音は止まること無く一気に部屋へ入ってくると声を上げた。

その声に答えたのはを抱えている、この男。









「若、ご無事ですか?!」

「問題ない。船の準備は?」

「もうまもなく」

「そうか」








無駄のない短いやり取りだが、危険は遠ざかったようだと分かる。
そして、心に余裕が生まれた為か『若』という響きに呑気に時代劇を想像して肩の力が抜ける。

すぐに、彼の場合はどちらかと言うと『ヤ』の付く家業のイメージの方があっている気がする(偏見など持つものではないが)と、大変に失礼ながら勝手に描くイメージがピタリとハマったはクスクスと笑ってしまった。
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