怖いのは苦手です【ONE PIECE】ドフラミンゴ夢
第2章 Who are you?
まるで、虎やライオンに捕まった兎の心地だ。
絶対に何をしても逃げきれる望みはないだろうと嬉しく無い確信がある。しかし、だからと言って抗わずにはいられない。
「や、やややめてください!!」
顎を掴む右手の親指が下唇をゆっくりと撫で、カッと体温が上がる。
腰に回された手はくびれのあたりを撫ではじめた。
(え、まさか、私、やっぱり昨日、この人に食われちゃってた?)
恥ずかしさと恐怖と現実を見たくない逃避から、ギュッと目を瞑ったその瞬間、後悔に襲われる。
こんな状況で目なんか瞑ったら、キスをしてくれと言っているようなものだ。
視界は閉ざしたままなのに、ニヤリと笑っている男の顔が見えるような気がした。
(でも、今、目を開けるのも怖いよ!!)
どうしたら良いかわからず、さらにギュッと目を閉じたところで、フフ…っと、独特な笑い声が聞こえた。
そして、その直後、
信じられないほど優しく唇が重ねられていた。
しかも、身体が一瞬で甘い波に攫われるような、麻薬のようなキス。