第1章 ○ 猫遊戯*太宰治
「さぁ、入って。」
「お邪魔します…。」
部屋に通されると、太宰さんは持っていた袋に手を入れ一着の服を取り出した。
「…何ですか、これ?」
「もちろん君へのプレゼントだよ!」
「え、でもっ…。」
太宰さんが手にしていた物は、所謂ワンピースだった。
全体的にピンク色のワンピースは
スカートの部分にふんだんにフリルがあしらわれ、如何にも女の子が憧れるようなデザインだった。
ただ、普通のワンピースと決定的に異なる点は、その丈。
少し動けば下着が見えてしまうのではないか、と思ってしまうほど短くて、私が着るにはちょっと抵抗が…。
「…もしかして、気に入らなかったかい?」
太宰さんが珍しく眉を下げながら、私を上目遣いで見つめる。