第4章 ○貴方は特別な存在*中原中也
ゆっくりと目を開けると、裸のまま私の頭を撫でている中也と目が合う。
今までずっとこの状態だったのかと思うと、自然に顔に熱が集まってきた。
すると、中也はハハッと笑いながら、俺もさっき起きたばっかりだ、と教えてくれた。
「ごめんね、中也。また意識飛ばしちゃって。」
「いいんだよ、別に。それだけ善がってくれたと思えばそれでいいってもんだ。」
悪戯っぽく笑いながらそう言う中也。
…嗚呼、やっぱり此の人が好きだなぁ。
急に愛しさが込み上げてきて、それをどうにか中也にも教えたくて。
でも、言葉にするのは恥ずかしかったから、中也の頬に手を添えてそっと唇を重ねる。
すると、中也は目を丸くして驚いた。
「…こりゃ珍しいなァ。初心な一花からそんなことしてくれるなんてよォ。」
「私だってしたい時くらいあるの、…駄目だった?」
「駄目なわけあるか。もっとしてくれてもいいんだぜ?」
ちょっとでも吃驚させられたかもと思った私は甘かったみたいだ。
ニヤリと笑いながら、こっちに来い、と私を包んだ腕は迚も温かかった。