第23章 俺、言わなかったか?
罪悪感でどうにかなりそうだった
いつバレるのかとビクビクしている
が休みの日、食事に誘った
フラっと入ったアクセサリーショップ、の視線がひとつのネックレスに釘漬けになってる
「欲しいのか?」
「ううん、綺麗だなって思ってただけ」
「つけてみろよ」
「つけたら、欲しくなっちゃう…」
いいからと、店員を呼んでケースから出してもらう
「どうかな?」
「よく似合ってる」
「ほんと?」
鏡を見ながら、ニコニコと胸元で揺れているネックレスを眺める
「すみません、これこのままつけていきたいんですが…いくらですか?」
「え、いいよ」
「気に入ったんだろ?買ってやる」
遠慮するを押し切って、ネックレスをプレゼントした
浮気した男が彼女のご機嫌取りをしてるみたいだ…
実際そうなんだが…
「陣平から、初めてプレゼント貰っちゃった」
嬉しそうに言うもんだから、余計に胸が痛む…
カフェに入って食事をする
どれにしようか決めあぐねているを黙って見つめていた
注文をして待っている間、おトイレ…と席を立つ
スマホのチェックをしていると人影がの座っていた席に腰掛けた
「早かったな…」
顔を上げるとあの日の女
「黙っていなくなっちゃうんだもん、寂しかったなー」
「あんたと話すことはなにもねぇよ、退いてくれ」
「えー、嫌だな…せっかく会えたのに、勿体ない」
「彼女の席だ、どけよ」
「彼女いたんだ、なのに合コン?!で、ハメ外して私と寝たんだ…」
「それは、お前が薬盛ったからだろう」
「私のと寝たって、認めたね
彼女さーん、どうするー?」
女が目線を俺の後ろにやった
振り返ると青ざめたが立っていた
「今の話、ほんと?」
「それは…」
荷物を持ってが、店を出ていこうとする
「待てよ」
「ごめん、今ちょっと…無理…ごめんね…」
掴んだ手首を振りほどかれて、は店を出ていった
女を残して、の後を追う
人混みに紛れてしまったを俺は見つけ出せなかった