第22章 好きなんだよね
俺たちに気を使った萩原はまだ居てもいいと言ったのに、もう部屋決めちゃったからと出ていった
「なんだか寂しいね」
「そうだな」
との二人暮らし
でも、何も変わらなくて忙しく事件を片付けていくしなくて何日もまた家に帰れなかった
そんな時、マトリに配属された警察学校の同期から合コンの人数合わせを頼まれた
「却下、俺彼女いるし」
「そこをなんとか…頼むよ…」
「他、当たれ」
「一次会だけでいいから…」
悲痛な頼み方だったから折れてしまった自分を呪った
には同期に飲み会に誘われたと話をした
「わかった!明日朝イチで会議なんだ
帰り待ってられないかも」
「あぁ、寝とけ寝とけ」
罪悪感だけが心を締めている
合コンが開始されまとわりついてくる女に嫌気がさした
「引っ付くな」
「松田さん、冷たい、でもそんな所も好き」
鼻に着くようなキツイ香水
濃い化粧
全てがと違っていて早く帰りたい、そればかりだった
「もっと飲んでくださいね」
ビールをつがれてそれを流し込む
変だな…こんな量じゃ酔わないはずなのに体が熱い
一次会を終えてクラクラする頭を抱えながらみんなと別れた
「どうなってんだよ…」
「しんどいでしょ、体が疼いて」
声がした方を振り返るとさっきの香水がキツイ女
「私が沈めてあげる」
そう言われたのが最後の記憶だった
気づいたらホテルにいて何も身につけていない
隣にはさっきの女が寝ている
嘘だろ…男の俺が薬を盛られたからってやられたなんて…
なんとなくわかる
全身から女と同じ香水の匂い
ゴミ箱に目をやると塞ぎたくなった
使用済みのゴム
最悪だ…
どんな顔して帰ればいいのか、わからなかった
早急にシャワーを浴びてタクシーを捕まえて家までは、帰りついた
時計に目を向ければ深夜だ
は眠ってるだろう
もう一度体を清めるつもりで洗った
シャワーから出るとが起きていておかえりと言ってくれる
「…」
何も言わずに抱きしめて腕の中に閉じ込めた
「陣平?」
「悪い…今すぐお前のこと抱きたい…」
「え?今から?明日、朝早いって…やっ…」
「ごめん…」
狂ったようにを抱き潰した