第22章 好きなんだよね
本当は露天風呂でもを抱きたかった
湯に揺れた肌、髪がまとわりついた首筋
赤くなった頬
抑え込むのに必死だった
「加減してやれ」と萩原に言われた事を思い出して甲斐甲斐しくの世話をした
ウトウトしている顔を見ていたらムラムラしたけど、抱き潰して嫌われなくない
明日も観光する予定だからこれ以上ヤったら動けないって怒られそうだし、目的は療養だからと押さえ込んだ事を誰か褒めてくんねぇかなと思って目を閉じた
「研ちゃん、お土産だよー」
旅行先の地酒とそれに合いそうなツマミ
が選んだ
「おー、ありがとう」
俺が買った方を早速空けて乾杯した
「おいしー」
ずっと機嫌がいい
それに引き換え萩原はずっと何か考え込んでいた
が眠ってから萩原に話を切り出す
「何考え込んでんの?」
カランとグラスの氷が音を立てた
「なにー?」
「惚けんな、真剣に聞いてる」
「陣平ちゃんには隠し事出来ないな…」
怒らないで聞いてくれよと前置きして萩原は語り始めた
「俺さー、ちゃんのことが好きなんだよね」
「ふざけてるなら怒るぞ」
「こんなことでふざけないよ…でもどうこうする気はないから、安心して
俺は陣平ちゃんもちゃんも好きだから
だから、陣平ちゃんにはちゃんをしっかり捕まえてて欲しいって、それだけ」
「萩原…」
「ずっとモヤモヤしててさー、陣平ちゃんに話せてよかった」
スッキリしたーとグラスに入っていた酒を煽る
「泣かしたら容赦なく奪うからな」
「お前には勝てる気がしないから、泣かせないように努力する」
「よく言うよ、自信満々な癖に…」
「萩原には、適わねぇよ…俺と違って口悪くねぇし、怒鳴ったり絶対しないだろうし
警察学校の時から1番モテてたのはお前だった
あの一見1番モテそうなベビーフェイスの首席を差し置いて断トツだったからな」
「陣平ちゃんにそう言って貰えると光栄だね」
「幸せにしてやってよ」
「約束する」
グラスを傾けて乾杯した