第20章 わかっちゃう?
陣平ちゃんの家に帰る途中
花屋の前を通りかかった
「これ、ちゃんぽい…」
直感でそう思った
ブリザードフラワーというやつらしい
陣平ちゃんに持って行ってもらおうとそれを購入した
家に戻ると陣平ちゃんが戻ってきていて部屋は荒れ放題になっていた
「何事?」
「の入院準備してたらこうなった…」
いやいやいや、なんでこうなる?
自分ちなのにどこに何があるかわかってないの?
「何探してるの?」
「新しいバスタオルとか」
「それは、こっち」
陣平ちゃんが探しているものをひとつひとつ教えてやる
俺は散らかってしまっているものを元の位置に戻した
陣平ちゃん1人で暮らしていけないタイプだな
誰かがついててやんないといけないなと実感した
「ちゃん熱は?」
「だいぶ下がった…よく気がついたな」
「妹達がいるからな
妙に元気に振舞って熱あるの隠そうとしてるっぽかったから、うちの妹と一緒だった」
「萩原の妹って確か…」
「10個下」
ガキと一緒かよと陣平ちゃんは笑った
「これ、ちゃんに持って行ってやって」
お見舞いの品を差し出すとお礼を言われた
「萩原は行かねぇのか?」
「多分明日から忙しくなると思うんだよね」
犯人が作っていた爆弾の解体作業が残ってる
トラップばかりで俺がやらないと…
陣平ちゃんを刑事課から借りたいくらいだった
「そっか…気をつけろよ」
「任せとけ」
俺の予想通り忙しくなった
よくもまぁこんなにたくさん作ったもんだと変に関心した
昔、防護服を着てなかった事で死ぬ思いをしたからあれからはきちんと防護服を着るようになった
防護服を着ての作業は本当に捗らない
仮眠室での睡眠は何日目になるかな…
本当に疲れた…
こんな時彼女でもいれば癒してもらえるのにと情けない事を思う