第20章 わかっちゃう?
後始末を終えて一旦本庁へと戻った陣平ちゃんと一緒にちゃんのいる病院に
「怪我どんな具合?」
「右手は折れてるって」
「そんなになるまでよく頑張ったな」
「全くだ…、萩原改めて礼を言う
お前がいてくれて良かったよ
萩原とじゃなきゃあんなふうに解体出来なかったと思う」
「なんだよ、改まって…照れるじゃん」
「だから!改めてって言ったろ?」
ちゃんが無事でよかった
本当にそう思う
病室に戻るとちゃんは起きていた
俺たちに笑顔を向けてくれる
「陣平、研ちゃん
助けに来てくれてありがとう」
「痛かったな…犯人は捕まえたからもう大丈夫だ」
「もう心配いらないからちゃんは体を治すことだけ考えてね」
「うん!」
陣平ちゃんと笑顔で会話してる
2人の話の間に入りながらちゃんの様子を観察する
一見元気に見えるけど、時々しんどそうに見える
「ちゃん、ちょっとごめんね」
彼女のおでこに手をやるとさっきより酷くなってる気がした
「まだ熱あるじゃん!寝てなきゃ!」
「バレちゃったか…」
「バレたじゃねぇぞ、なんで言わない」
「ほんとに大丈夫だと思ったのに…私熱に強いし」
「ほら、寝た寝た!」
俺がいたんじゃ、ちゃんが陣平ちゃんに甘えられないと思い俺は病室を後にして、そのままポアロに向かった
「今日、大変だったみたいですね」
「もう知ってんの?こっわ…!」
「僕の部下は優秀だからね」
「はいはい」
降谷が入れてくれたコーヒーを口に運ぶ
「美味い!」
「それはどうも
で?何か話したいことあるんじゃないんですか?」
「わかっちゃう?」
「わかります、顔に書いてありますから」
「でも、言わない
口に出すと抑えられなくなっちゃいそうだから…」
「じゃぁ、なんで来たんだ」
一気に降谷モードになった安室さん
「お前の顔見に来ただけだよ」
「気持ち悪いこと言うなよ」
降谷の顔を見たらモヤモヤしていた気持ちはだいぶ治まった
この気持ちはあの二人には絶対知られちゃいけないんだ
俺は陣平ちゃんがいて、ちゃんがいる
3人でいるのが好きだったから