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~miss you~

第17章 残していく方もキツイぞ


ゼロには忙しいって断られて、萩原はそういう事ならと仕事を終わらせて合流してきた

「なんかね、連続殺人事件だって
刑事課大忙しって感じだった
陣平ちゃんの機嫌の悪さといったら…周りの人間を気の毒に思うよ」

来て早々に松田の様子を語り始めた

「また何日か帰って来れないのかな?
ちゃんと疲れも取れてないはずなのに…やっぱり今日はゆっくりしてもらえばよかった…」

やさしいんだから、本当に…

萩原も複雑そうな顔をしていた

「ちゃんが気にすることないよ
陣平ちゃんが誘ったんだし、ね
ほら、そんな顔しないの!」

「松田の方が案外浮かれてたりして…」

「違ぇねぇ」

ちゃんの笑顔が寂しそうだった

贅沢に鉄板焼きを楽しんで店を変えて酒も飲んだ



「ちゃんて、酒弱かったんだ」
「普段はそうでもねぇんだけど…いろいろ思い詰めてるみたいだから、回っちまったみたいだな」

テーブルに突っ伏して眠ってしまったちゃんを撫でながら萩原は言う

「やっぱり置いていかれるのキツイよな…」
「残していく方もキツイぞ」

ま、それもそうだ…

「萩原が来てくれて助かった…」

「なんだ?傷心のちゃんに漬け込んでお持ち帰りでもしちまうってか?」

「………」

「諸伏、お前結構本気だったんだな
でも、俺もお前も警察の人間、寂しい思いさせるのは一緒だって
しかも、お前は公安だろ?秘密事も多い…」

わかってる
松田より俺が…とか、おこがましいことは思っていない
ただもし2人きりだったら黙って送って帰るなんて事出来なかったと思う

「そろそろ帰るか…ちゃんの事は任せろ」
「ん、頼むよ…萩原と飲めて楽しかったよ」
「俺もだ
ほら、ちゃん起きて!帰るよー」

体を起こしたけど、頭がフラフラしてる
「ほら、水飲んで…」

タクシーを捕まえて乗り込んだ2人を見送った


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