第16章 おじゃまじゃない?
「はぁ~~~」
「なに?そんな大きなため息…」
喫煙所でタバコを吹かしながら出た俺のため息に萩原が反応した
「に会ってねぇ」
「何徹目?」
「3日目」
なんだってこんなに事件が多いんだよこの街は…
「ちゃん、陣平ちゃんのこと心配してたな
あ、忘れてた…」
早く言え!
朝、俺の着替えと差し入れを預かっていたそうだ
今の今まで忘れていたらしい
「ごめんごめん、俺もちょっとバタバタしてたし、朝、刑事課にいなかったじゃん」
「どこだ?」
「俺のロッカー、差し入れはこっちの冷蔵庫」
「先行くな」
機動隊のロッカーは勝手知ったる古巣だ
萩原のロッカーを開けようと手をかけるが鍵がかかっている
「くそっ、鍵開けとけよっ」
ガチャガチャやっても開かないので、ピッキングしようと針金を取り出す
「ちょっとやめろって、すぐ開けるから
ピッキングしようとするな…」
まったく…とブツブツ言いながら鍵を開けてくれる
ピッキングとか細かい作業はお手のものなんでね
萩原にも降谷にも教えたのは俺だ
萩原から奪い取った袋の中には着替えと缶コーヒーそして、かわいいメッセージカードが入っていた
差し入れてくれる時はいつもカードを付けてくれる
一言手書きで書いてくれるだけで仕事の疲れも吹っ飛ぶ
何気にいつも楽しみにしている
カードを見つめているとふふっと萩原が笑う
「幸せそうな顔しちゃって」
「うるせーよ」
後は冷蔵庫か
「卵焼きが美味かった」
「お前も食ったのか?」
ギロリと萩原を睨みつけた
「ちゃんが俺にも持たせてくれたの
彼女の優しさ」
わかってる
はそういうやつだ
だか、俺より先に食ってて勝手に感想を言う萩原にイラッとした
簡単な弁当を作ってくれて夜食にでもしてと萩原に持たせるらしい
おにぎりと唐揚げ卵焼きサラダ付きだ
シンプルだが、作ってくれるの気持ちが嬉しかった