第14章 俺は帰らない方がいいのかな
陣平の事をしっかり考える
今思えば私が辛かった時、いつも一緒にいてくれたのは陣平だった
嬉しかった事も悲しかった事も一番に報告して一緒に喜んでくれたり、怒ってくれたり
私の隣にはいつも陣平がいた
陣平の事を思うとギュッと胸の奥が苦しくなった
陣平の事好きなんだ…
自覚したら、悲しくもないのに涙が溢れてきて止まらない
その時家にいたのは研ちゃんだけで泣いてる私を見てギョッとしていた
「ど、どうした?急に…」
「どうしよう…私、陣平のこと好きみたい…」
なんでそれを俺に言う?と呆れられたけど
すぐ笑顔になって早く本人に言ってあげなよと涙をタオルで拭ってくれた
今更なんて言えばいいのかわからない
どうやって伝えようかと考えている所に陣平からお誘いがあった
定時で仕事を終わらせて一度家に帰って着替える
精一杯のオシャレをして待ち合わせ場所についた
緊張する…
早く来て欲しいような来て欲しくないような複雑な気持ちで陣平が来るのを待っていた
食事もお酒も美味しくて、陣平と一緒にいられるのが嬉しかった
自覚すると途端にかっこよく見えてしまうのは何故だろう
顔がいいのは知っている、仕草とかタバコの吸い方とか全部全部かっこいい
陣平が髪に触れた時、それだけでドキッとしたしかわいい、似合うなんて普段言われない言葉を聞いてかなり舞い上がっていた
帰りたくないって言われてここで自分の気持ちを言わないといけないと思い一緒にいたいと精一杯の気持ちを伝えた
もう一度確認されて、抑えきれなくなった気持ちを全部伝えて陣平に抱きついた
「本当にいいのか?」
「恥ずかしいんだから、何度も言わせないで…」
陣平の鍛え上げられた逞しい胸板に顔を埋める
それが答えだと思って欲しくて
「、好きだ」
「私も陣平が好き」
それからの陣平は行動が早かった
携帯を取り出し何やら一生懸命検索していてどこかに電話している
「よし、行くぞ」
手を取られて歩き始める陣平に必死について行く
「待ってよ…陣平…」
陣平の早歩きについていけず小走りになって息が上がる
「あ、悪い…嬉しすぎて早く二人っきりになれる所に行きたくて…」
ポリポリと頭をかく陣平の言わんとしていることがわかって握った指先を強く握りしめた