第14章 俺は帰らない方がいいのかな
研ちゃんが誕生日を祝ってくれると言うのでポアロにやってきた
研ちゃんと安室さんとヒロさん
陣平は来れないらしい
行けたら行くって言っていたそうだ
安室さんが特別にバースデーメニューを出してくれた
「どれもすっごい美味しいです、わざわざありがとうございます」
「いえいえ、喜んで貰えて僕も嬉しいです」
すごく楽しい時間だった
だけど、陣平がいなくて寂しいと思ってしまう
一緒の家に住んでるけど、顔を会わせない時はとことん会わない
刑事さんだから仕方ないのかもしれないけど
ポアロにいる時に陣平から着信があって、ビックリした
行けなくてごめん
誕生日おめでとうと短い会話だったけど正直すごく嬉しかった
「ちゃんてすぐ顔に出るんだね」
ヒロさんがクスクス笑ってる
「今の電話陣平ちゃんからでしょ」
「なんでわかったの?」
「聞くまでもねぇよなぁ、諸伏」
「だね、あーぁ、これで俺は失恋決定か…」
「はいはい、ヒロはもうさんにちょっかい出しちゃいけませんよ」
3人で勝手に話が進んでいく
「ちょ、ちょっと待って…どういう事?
もしかして、私が陣平のこと好きって誤解してる?」
3人が盛大なため息をついた
「自覚ないなんて陣平ちゃん可哀想」
「俺、まだチャンスある?」
「それはないから諦めなさい」
私が陣平のこと好き??
「自分でちゃんと気づかなきゃ意味ないからね」
研ちゃんがポアロからの帰り道私にそう言った
「自分で自分の気持ちわかんないなんてバカだよね でも、今日陣平がいなかったのは寂しいって思うんだ…」
それが答えなんじゃない?
と研ちゃんは笑ってる
家に帰ると冷蔵庫を見ろと陣平からのメッセージに気がついた
開けてみるとケーキ屋さんの箱が入っているHappy Birthdayとチョコレートで書いてあってわざわざこれを置きに帰ってきたと思うと嬉しくて泣けてきた
「やるなぁ、陣平ちゃん」
「研ちゃんも一緒に食べよ」
小さめだけどホールのケーキでとても1人じゃ食べきれなかった
陣平の分も取っておいたけど、賞味期限が来る前には帰ってこられなかったみたいで私が有難く頂戴した
お礼の電話をかけるとまたおめでとうの言葉を貰った