第13章 おやすみ
「声も出さずに泣くんだな
そんなに嫌か、諸伏の方がよかったのか」
陣平が覆いかぶさっていたけど、少し距離が出来たので横向きなって、体を隠した
「もうやめようよ…陣平、彼女いるんでしょ
こんなことよくないよ
私のことはもうほっといてよ…」
「ちょっと待て、どういう事だ
彼女なんていないと前言わなかったか?」
「お昼女の人と腕組んで歩いてるの見た」
「ふふっ、なんだ…そんな事か…
容疑者を尾行中だったんだ、カップルのふりしてた方が刑事だってバレにくい」
あぁ…恥ずかしい勘違いしていただけだった…
私の心がザワザワしてたのはなんでだろう
「、正直に話せよ」
横に向いていた私の腕を掴んでベットに縫い止める
「俺が腕組んで歩いてるの見てどう思った?」
言えないよ…
「俺は諸伏とお前を見て妬いた、なんで隣にいるのは俺じゃないんだって」
「へ?」
「お前のことが好きだって言ってんだ」
「うそ…」
「嘘なんかつくかよ、言っただろ
もう俺以外の男に触らせるなって」
それってそういう意味だったのかと納得した
「お前は俺の事どう思ってる?」
「わかんない…ずっと友達だって思ってたから…でも、ヒロさんといる時も陣平のこと思い出しちゃって、ザワザワした…」
「やべっ…」
組み敷いていた陣平がベットに座り直して
ふわふわの前髪をぐしゃっと握る
よく見ると顔を赤くしてるみたいだ
「見んなって…嬉しくてニヤニヤしてるんだから」
意味を理解して私もつられて赤くなる
私も座らされて手繰り寄せた服で前を隠す
乱れた髪を陣平が直してくれて、トンと胸に抱かれた
「早く俺のこと好きになっちまえよ
俺の所に堕ちてこい」
「陣平…」
「それまではもうお前を無理矢理抱いたりしないから、安心しろ」
正直まだよくわからなかった
ゆっくり体を離して陣平はもう寝ろと言う
「さっき言ったばかりだからな…これでも我慢してんだ、そんな格好してると襲うぞ」
陣平が脱がしたんでしょと立ち上がって自分の部屋に戻って火照った体をベットに沈める
ドキドキして眠れなかった