第13章 おやすみ
どうした?とヒロさんも私の視線の先を一緒に見つめる
陣平が女の人と腕を組んで歩いている
なんだ…やっぱりそういう人いるんじゃない…
チラッとしか見えなかったけど、綺麗な人だったな
私と体の関係あってもちゃんと付き合ってるわけじゃないし、別にいいけど…
「ちゃん、松田のこと好きなの?」
「へ?」
「ショックって顔に書いてある…気づいてないの?」
なんでショックなんで受けてるんだ、私
陣平は友達じゃない、彼はモテるから彼女がいたっておかしくない
ちょっと体の関係があるからって勘違いしてたみたいだ
「わかんない…私、本当にもう行かないと…」
「仕事何時に終わる?待ってるからここで」
「17時」
「わかった、じゃあ仕事頑張ってね」
ヒロさんとの待ち合わせ場所に向かう途中
陣平からメッセージがあった
内容は見ずにそのままカバンの中にしまった
「ちゃん」
「ごめんね、待った?」
「ううん、行こっか」
手を繋がれたけど、思わず引っ込めてしまう
苦笑いするヒロさんにごめんと謝る
「こっちこそ、ちゃんと一緒なのが嬉しくて舞い上がったかな」
歩幅を合わせて歩いてくれる
優しいな、ヒロさん
食事をしてバーに移動する
飲み慣れないワインに頭がボーッとする
「ごめん、飲ませ過ぎちゃったね、大丈夫?」
「うん、帰れなくなる前にそろそろ帰りますね」
酔った勢いのまま眠らないと今日は寝れない気がした
「ん、じゃ送ってくよ」
フラフラしている私の肩を支えてくれて家の近くまで送ってくれた
「ちょっとそこのベンチ座ってて」
公園のベンチで待つように言われて大人しく待っていると水を買って来てくれて、開けて飲ませてくれる
「もう少し酔いを冷ました方が良さそうだね」
さっきよりも酔いが回ってグラグラする
ヒロさんが肩を貸してくれてそれにもたれかかって休んでいた