第12章 ライバル出現だな
「じゃぁな安室さん」
「ごちそうさまでした」
スマートに私の分まで払ってくれるヒロさん
払うと食い下がってもデートなんだから、気にしないでと言われてしまった
「どこ行く?映画?買い物?なんでも好きな事言ってね」
「ヒロさんは行きたい所ないんですか?」
「俺はちゃんと一緒にいられるだけで満足だから
でも、敬語はなしね」
照れてる様子もなさそうにサラッと言ってくるからいちいちドキドキしてしまうチョロい私
コクンと頷くとよしよしと頭を撫でられた
陣平とも研ちゃんとも違う手に妙にドキドキした
「見たい映画があって、陣平も研ちゃんも誘ってみたけど恋愛映画だから却下って言われちゃって…ヒロさんも恋愛映画は嫌?」
「別にいいよ、じゃ行こ」
自然に手を繋がれ映画館に向かう
評判通りに感動するいい映画だった
映画が終わっても、まだ感動して余韻で泣いてる私をニコニコしながら見ている
「目腫れちゃうぞ」
指先でツンと頬をつつかれた
トイレで化粧直しをして待ってくれているヒロさんを遠目から見ていると、私なんかとデートがしたいと言うのが不思議なくらいイケメンで立ち姿もすごく様になってる
立ちすくしている私に気がついてヒロさんがこちらに近づいてくる
「行こっか」
さっきみたいに手を繋がれてカップルみたいに歩く
ブラブラ買い物したり、カフェに入ってお茶したりすごく楽しかった
陣平の家の前まで送ってもらう
「今日はありがとう、すごく楽しかった」
「俺も楽しかった」
またねと手を振って帰っていくヒロさんの背中を見送った
遅くなるって言ってたけど研ちゃんと陣平の分の夕食の支度を整えてからお風呂に入りたくさん歩いたから疲れてしまってあっという間に眠りについた