第10章 後悔したって遅いんだからな
「ちゃん遅いね、携帯電源切ってるし大丈夫かな?」
「子どもじゃないんだから平気だろ?」
「でもなぁー誰かさんが泣かすから帰ってきづらいんじゃねーの?」
わーったよ、様子見てくればいいんだろ?
タバコと携帯と鍵を持って駅まで見に行くことにした
割とすぐ近くで2人の影を見つける
目をこらすと降谷とがいた
降谷がを抱きしめている
まただ…誰かがあいつに触れるのを見ると自分の感情が抑えられない
あとは感情の赴くままと言い争いをしてしまう
"陣平だって…"その言葉はグサリと胸に突き刺さった
やっぱりそう思っていたか…
降谷にを預かると言われて手は出すなと釘を刺すがそう思う意味を問われる
そんなのわかんねーよ…
わかんねぇけど嫌だった
萩原には降谷が連れて帰ったと報告すると頭を抱えた
「忘れたのか?諸伏とちゃん昔1回会ってるぞ
それからしばらく紹介しろってうるさかったじゃん
諸伏がいるんだろ?あいつがちゃんに気づいたらまためんどくさい事になるって」
そういえばそうだった
でも、なんでめんどくさい事になるんだ?
「その顔はわかってねぇみたいだな」
後悔したって遅いんだからな
そう言い残して萩原は寝室へと消えていった
俺も自分の部屋へ行きベッドに潜り込んで考えたけど答えは出ずにいつの間にか眠っていた
本庁にいる時に萩原からメッセージが届く
俺、今日帰らないからちゃんとゆっくり話し合えよ
とりあえず、泣かした事は謝らねぇとな…
お詫びのつもりでが好きな酒とツマミを買って帰る
部屋に戻るともうは帰ってきていてなにやらゴソゴソ片付けをしていた
「なにやってんだ?」
「陣平、おかえり
男二人だとなんでこんなに散らかっちゃうの?」
確かに昨日2人で飲み散らかしたままで、脱いだ服もそのままになっていた
「いいから置いとけよ」
洗濯物を取り上げてソファーに座らせる
「ゴメンな…」
「助けて貰ったのに私もあんな態度取ってごめんなさい」
互いに謝った所で沈黙が流れる