• テキストサイズ

リンゴ

第8章 誠凛vs秀徳







焦った様に黄瀬をどつく笠松

それが可笑しくてさやは
くすくすと笑った

黄瀬は、驚いたように目を見開き
さやを見つめた



「…さやっちなんか変わったっすね」


「そうかしら?」


「いいっすね昔に戻ったみたいっす!」



黄瀬はにかっと笑いさやの頭をくしゃりと撫でた


昔…か…



さやは少し複雑な気持ちで
頭を撫でる黄瀬を見つめ


黄瀬は愛おしそうに

さやを見ていた








誠凛メンバーと笠松と
お好み焼き屋の前で別れ

さやは黄瀬に最寄りの駅まで送ってもらう事になった



2人で暗い夜道を歩く

黄瀬は終始楽しそうな笑顔でさやの手を握っていた



「って感じでいつも笠松先輩に
しばかれるんっすよー」


「へぇ…涼太が楽しそうで
私も嬉しいわ」


「どこが楽しそうなんすか!
さやっちが海常にいたら楽しいっすけどね!」


「そうね
私も涼太がいたら楽しいと思うわ」



私は、たくさんのキラキラしたものに会って

…変わってしまったのかもしれない


黄瀬と歩きながらさやは
過去の事を思い出していた。








いつ頃だっただろうか


女子の中でバスケをするのが、つまらなくなったのは。



大して楽しんでやっていた訳じゃなかった



でも、強い相手とやるのは
高揚したし

女子チームの中でも皆と笑ってバスケをしていた気がする


週末になれば練習後にストリートに通い
たまに来る大輝と本気でバスケして

賭けて、アイス奢って貰ったりして


部活を頑張っていれば

先生からも評判がよくなるし
親も悪くは言わなかった


十分利があったし

少し楽しくもあった





シュッ ----------



『おおー!紅林今日30点目!』


『さすが"女帝"紅林!プレーがあざやか!』








/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp