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リンゴ

第8章 誠凛vs秀徳






「げっ…」


「お前ら何でここに…つか他は?」


「いやぁ…真ちゃんが泣き崩れてる間に
先輩達とはぐれちゃって…ついでに飯でも?みたいな」



階段下からは何やら話し声が聞こえてくる

見知った声がいくつも聞こえ
さやは首を傾げた


(あれ、和成に大我の声…
真太郎もいるの、かしら…?)



「涼太ー、笠松さん
お待たせしました」


「さやっち!遅かった…っすね!?」


「「「ぶっは!」」」



そこにはびしょ濡れの緑間、高尾。そして誠凛のメンバーと
何故か黄瀬と笠松と相席している火神、黒子がいた。

奇妙な面子が集まったものだと思っていると

鼻血を吹き出す免疫のない面々


それもそのはず梨花が貸してくれた服は

肩口が大きく開き片方の肩をずり落とすタイプの
ロングTシャツと

ビリッビリに破れたダメージジーンズ だった。



「さや!おまっなんだその格好!」


「足が!生足が!ほとんど丸見えっす!」


「っ…さやさん、肩しまってください」




「店を変えるぞ」



さやの姿を見た緑間は
表情を歪め高尾を引き連れ去ろうとした

高尾はえ?ちょ、真ちゃん! と言いながら
さやの方をちらりと見て店を出た



「真太郎…」



(さやに勝利を捧げるなど
大口を叩いておいて

負けた俺が合わせる顔など…ないのだよ)



が、緑間達が店を出た途端
風が台風ばりに吹き、結局戻ってきた



「真太郎、よく頑張ったわね」


「さや…」



さやは緑間の方へ駆け寄ると
精一杯背伸びをして緑間の頭を優しく拭いた

緑間は頭を落としされるがままに俯いている



「幻滅、しただろう…
こんな無様な俺を…」


「いいえ。
あなたはこれから、もっと強くなる
次は大我にも負けない」


「っあぁ…そうだな
次こそはさやの彼氏として
相応しい勝利をさやにプレゼントするのだよ」






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