• テキストサイズ

リンゴ

第8章 誠凛vs秀徳







「ちょ、ちょいお客さん!
あんたらびしょびしょじゃないか!」


「「あ」」



黄瀬と抱き締め合っていると
慌てて厨房から店主がやってきた。

さやは長時間雨の下にいたせいか
髪からは水が滴り落ち

真っ白のTシャツは体に張り付いていた



「ぶっ!さやっちよく見たら
なんて格好してんすか!」


「ぐはぁ!は、鼻血がっ…!」



白いTシャツだった為に
さやの体は薄らと透け

淡いピンク色の下着が丸見えだった。


女に免疫のない笠松は鼻を押さえ
鼻血が垂れないように必死


黄瀬は自分自身のブレザーをそっとさやの肩にかけた



「涼太の濡れちゃうわ」


「もう今更っすよ!
さやっちのそんな姿、他の男に見せないで…ね?」



黄瀬は柔らかく笑うとくしゃりとさやの頭を撫でた

やっと調子が戻ってきたようだ



「お嬢さんらこのままじゃ風邪引いちまうよ!
ちょっとこっち来な!

おーい梨花!梨花ー!」


「俺は大丈夫です
上脱げば下濡れてないんで…」



店主は奥にある階段の方に声をかける


どうやら2階は住居のようで
店主はそちらに上がるように促した。

さやは戸惑い遠慮するが

店が濡れたら商売にならない と言われ渋々上がって行った









さやが2階に上がると

上で待っていたのはギャルメイクバリバリの
同い年くらいの女の子だった



「あちゃーずぶ濡れだね」


「ごめんなさい、迷惑かけてしまって」


「いいんだよ!親父のお節介だからさ」



梨花と呼ばれていた女の子はタオルと服を貸してくれた。

またお店にご飯を食べに来て
その時に返してくれればいいとそう言って



「これ、タオル
一緒に来た男に渡してやって」


「わかったわ。
梨花、何から何までありがとう」



にかっと笑う梨花はひらひらと手を振って
自分の部屋へ戻っていった

さやはタオルを手に階段をゆっくりと降りた





/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp