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リンゴ

第8章 誠凛vs秀徳







緑間シュートは遠ければ遠いほど
溜めが長くなる

溜めの間に叩き落とすというのなら
まだわからなくもないが

さっきの火神は高い打点のボールに触れそうな勢いだった



(すごい…
他を見ない天武の跳躍力…

真太郎…勝つわよね…?)


火神の勢いに押され完全に流れは誠凛に。


47-56

ついに1桁まで追い付かれ第3Qも終了



「誠凛きてるっすねー!」


「ああ…でも王者の名は伊達じゃねーよ」



さやは不安を感じていた。

黄瀬が練習試合で負け
緑間もまさかの公式戦で…負ける?


誠凛は強い。でも彼らより強い訳が…ないのに




そして第4Qが始まり


接戦が続いたが、日向のスリーがとどめとなり


最後まで粘った緑間も



黒子に阻まれ、試合終了



緑間は負けた



「いやー誠凛勝ったっすねー!
このままなら俺らと当たったりして!」


「さあな
可能性もなくはないだろ」


「さやっちはどう思うっすか?

さやっち…?」



ざわざわと下克上の余韻に浸る会場

心配そうな黄瀬の声


全部耳に入っているはずなのに

水の中で聴いているような気がした



答えなくちゃ早く答えなくちゃ

そう思っているのに

目が熱くて下を向くしか出来なかった



「お、おい!どうした?大丈夫、かよ?」


「すいません…」




さやは笠松の前を横切り、会場の外へ飛び出した


黄瀬は自分も飛び出して後を追おうとした

だが、ぐっと拳を握り締め…やめた。


(さやっち…多分泣いてた
俺じゃ、行っても無理させるだけっす…

紫原っちがいれば…)


遠い秋田にいるライバルを思い
唇を噛み締めた。



「黄瀬!なんで追いかけねーんだよ!
外すげー雨だぞ!」


「…俺じゃだめなんすよ…」


「ッチ!よくわかんねーわ、そういうの
お前が行かなきゃ俺が行く…!」



笠松は鞄を引っつかむと
黄瀬の制止も聞かずさやを追っていった






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