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リンゴ

第8章 誠凛vs秀徳







高尾は優しくさやを包み込むと

幸せそうにさやの頭に頬を寄せた



「和成、前半よかったわ。さすがね」


「んー、俺ってば出来る男だからね
後半はさやちゃんに全てのプレイを捧げちゃうよ!」


「ぷっ!本当、和成ダメ…笑っちゃう」


「うそ!?マジだよマジー」



楽しそうに笑い合うさやと高尾

緑間はいらいらとした様子だが
先程の彼氏の余裕が響いているのか
大人しくその光景を見守っていた。



バンッ ------



「いつまでくっちゃべってんだ!轢くぞ!」



怒り心頭の先輩を筆頭に
秀徳選手らがぞろぞろと控え室から出てきた。



「宮地さん!すいまっせん!」


「!!しかも女だぁ?いい度胸だな高尾!
いちゃついてんじゃねえ!刺すぞ!」



高尾は宮地に首根っこを捕まれ、引き摺られて行った

さやは残された緑間の方に向き合う



「ありがとう真太郎

見てるわずっと。あなただけを」


「ああ、今日の勝利をさやに捧げよう」



緑間は優しく微笑んで
さやの頬にキスを落とすと会場に向かっていった








さやが応援席に戻ると
黄瀬が主人を待つ犬の如くシュンとしながら待っていた。

笠松はもう手を尽くしたらしく
お手上げ状態だ。



「涼太、戻ったわよ」


「さやっち!待ってたっすよー!」



わんわんと飛びかかってくる黄瀬をかわしつつ
コートの様子を伺う。

試合が始まって1分といったところか。



「お前も大変だな…」


「そんな事もないですよ、一応躾はしてあるんで」


「躾って!犬っすか俺はー!」



喚く黄瀬をスルーしていると
緑間がボールを持ちスリーを決める

でも様子がどこかおかしかった




++++++++



(喚かないの涼太
…お手)

(わん!)

(おかわり)

(わん!)

(いい子ね)


(この飼い主甘すぎる!)



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