第7章 誠凛の実力テスト
「…な、な、なんでキャプテンが
下の名前で呼ばれてんだよっ!」
「さやさん…またですか」
「じゃあ俺も俊って呼んでよ
…嫉妬をしとっとーキタコレ」
「黙れ伊月」
「俺も俺も!慎二でいいよー!」
「っじゃあ俺も大我で…!」
「全員1回黙ろうか」
リコの黒い笑みにより騒がしかった面々は
口を噤んだ。
青い顔をして無言で親子丼をかきこむ。
さやはふふっと笑うと
おぼんにおかわりぶんの器を乗せ始めた
「大我、おかわりいる?」
「っ!ああ、貰うわ」
「俊先輩もお味噌汁いかがですか?」
「あ、ありがとうな」
「しんちゃんはまだ食べるの?」
「いるいるー!
俺だけあだ名だー!やったー」
一人一人声をかけていくさやに
声をかけられた人は顔を赤らめていく
また後ろで般若のような顔をするリコだったが
「…リコさんって呼んでいいですか?」
と 言われてしまうと頬を染めるしかなかった。
水戸部はもういらないようで
ぱちんと手を合わせていたので
食器を全部回収し、部屋をでた
「ふぁぁ…ちょっと重いなー…わっ」
ふらっとするさや
寝不足がついに限界をむかえたようだ。
倒れる! と目を瞑ると
誰かが腰とおぼんをキャッチし
難を逃れた。
「あっぶねー
無理してんじゃねーよ」
「大我…ありがとう」
支えてくれたのは火神
明らかに持ちすぎのさやを心配して
手伝いに来た所だった
大きな手でぎゅと腰を持ち、しっかりと抱きとめてくれている
(腰、ほっせえ…体柔けえ…
しかもなんでこんな甘い匂いがすんだ?)
抱きとめたまま動かない火神を
さやは不思議に思って振り返ろうとすると
火神が首元に顔を寄せ
くんくんと首筋の匂いをかいだ。
「…大我?なにして…んっ…るの?」
「(っぁ…声、やばいな
すげー可愛いってか…腰にクる…っ)」
チクチク髪が肩や首を掠めてくすぐったい
火神の熱い吐息が
首筋を舐めるように這う