第7章 誠凛の実力テスト
「こんな私は…いや、ですか?」
うるうると上目遣いで見上げてくるさや
うっ と言葉に詰まる。
か、かわ、いー
いやいやでも…こいつは所謂魔性の女って奴だろ
そう思ってるのに
足が勝手に…さやの方へ
シュンとしてるさやが
すげー可愛くて
俺の腕の中でまた余裕そうなあの笑みに
戻してやりたくて
ぎゅと抱きしめた。
「日向….さん?」
「あーもう!なんなんだくそっ!
可愛すぎんだよダァホ!」
「えっと…日向さんは…私が、嫌なんじゃ…」
「っ!嫌、じゃねーよ…
…日向さんってのやめろ…順平って呼べ」
抱き締めたさやからは
甘くていい香りがして
あー、コガが言ってたのってこれか
なんて思いながら
さやの顔を見つめると
少し照れたように微笑むさやがいて
「順平、さん?」
「っ…!」
「あ…んんっ」
俺の名前を可愛らしく呼ぶもんだから
(好きだ…)
またキスを落とした。
さやがにやりと笑っている事も知らず
(堕ちちゃったね…順平さん)
*
さやと日向は
日向の提案で買い物をして帰り
相田家で誠凛の皆に料理を振舞った。
人数が多かったプラス何かと日向が構いに来たため
時間がかかってしまったが
皆、美味しい手料理に感激していた。
「簡単なものですいません」
「いいのよー!
むしろうちの為にここまでしてくれて有難いわ」
「いえ、誠凛の皆さんには勝って貰いたいですから」
さやはにこっと笑い、リコにお茶を差し出した。
皆さやが作った親子丼を
がっつくように食べている
「ん、さや。おかわり」
「順平さんたくさん食べてくれて嬉しいです」
味噌汁のお椀を突き出す日向に
受け取るさやは、まるで夫婦のようで
男達に戦慄が走る