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リンゴ

第1章 主人公紹介と色々







「ちぇーっ」


「くすくすくす…」


「ったく!さやもいい加減こっちみろ…」



拗ねたように見つめる青峰の
その瞳の奥には嫉妬と不安


自分の番が取られてしまうと

それはつまり自分に飽きてしまったんじゃないかと


不安で揺れている



「大丈夫よ。初めからあなたしか見てないわ。」


「…んでもいま、紫原に…」


「大輝は妬くと可愛いから
ちょっと意地悪しただけ。いやだった?」


「好きな女が…他のやつに言い寄って
いい気分の奴なんていねーよ…」


「……私、大輝に嫉妬されてとてもゾクゾクしちゃった…」





"早く貴方と愛し合いたい"


耳元でそう囁くとバッと耳を抑える青峰

耳まで赤くなる顔を隠す様に腕で覆った。



「……早く行くぞ」



正直限界だ。

さやの声で下は爆発寸前
制服に着替えておいたおかげで目立たないが
近くにいけばわかってしまうほどに

熱く滾っていた。


これを早くさやの中に沈めたい。

熱くて甘いあの時間を、これから…



「ちょっとー峰ちん
約束忘れないでよー」

「わーってるよ」


紫原の横槍に不機嫌そうに返す青峰。



「約束?何それ?」


「なんでもねーよ」


「みんなと1on1やってぜーんぶ引き分けだったら
峰ちん勉強するのー」



急かすように靴を履き替える青峰に
後ろから声をかける紫原

チッと舌打ちを漏らし紫原を睨みつける青峰



「余計な事言うんじゃねーよ!」



ああ、だから今日は不機嫌そうだったのかと
合点が行くさやを恐る恐る振り返る



「やっぱやめだ…なんて言わねーよな?」


「大輝…また勉強してなかったのね?」



シュンと黒豹の耳が下がる様に見えた。

はあとため息をついてくしゃくしゃと頭を撫でる。



「やめだなんて言わないわよ
私も大輝に会いたかったんだから」


「さや…!」






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