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リンゴ

第6章 紫原敦







さやはいつものポーカーフェイスだったが
先程までの刺々しい雰囲気はどこへやら

かなり機嫌がよさそうだった。


「(誰やねん電話相手は!!香水の奴か!?
しかも会いたいって!そんなんワシ言われた事ないわ!!)」


放置される今吉は苛立たしく
携帯を睨みつけていた



「くすくす…敦だって私を感じたいから
めんどうな電話もかけてきたんでしょう?」


「……ちげーし
紅ちんがまた泣いてるかなーって思っただけだし」


「敦…いやよ。呼んで…。」


「…さやちん」


「そう…それでいいの」



さやは満足したのか電話を切った

さやは一応今吉を見ると
ぺこりと頭を下げ、ボイスチェンジャーをつけた。



「すいませんでした。翔一さん
キャプテンの前で長々と」


「そんなんどうでもええわ…」



今吉はさやを壁に追い詰めると
ドンッと壁に手をついた。

さやはポーカーフェイスで何も変わらない。

そんな所にギリッと歯を噛み締めた。



「さっきの電話誰なん?」


「彼氏です。」


「あの香水の奴かいな」


「敦は違いますよ。
あれは真太郎がくれたものです。」



淡々と応えるさやだったが
その目は今吉を試すように見つめていた。

今吉はさやの言った事が受け止めきれないようだった。


あんな大事そうにしてたもんが
さっきの電話の奴やのーて

他の男からもろたもんやて…?



「……二股しとんのか」


「いいえ。
もっとたくさんの人と関係があります」


「それ公認でやっとるっつー事か?
とんだビッチやな」



蔑むように笑う今吉を
さやはフッと妖艶に笑うと頬に触れた。

今吉は驚き、目を見開く。



「それでも翔一さんは、その一員になって
私に触れたいと思ってる…。

違いますか?」


「っ…!」





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