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リンゴ

第5章 IH前






「(テツヤ…勝ったわね
またあなたのバスケを見られるなら…私は…)」



高尾と共に会場を後にしようとするさや

コートを見れば、黒子達が何やら相手選手と話している

その姿は懐かしいあの時期に戻っている様だった。


緑間はコートを見つめるさやを見る。

行かないでくれ…。
傍にいてくれ…俺を見てくれっ…


気がつくと緑間はさやの腕を掴んでいた。



「さやっ!…やっぱりい「離しなさい」……!」



行くなと言いたかった。

さやの目は、言葉は、それを許さない。


冷たい目

いつも触れる時に見せる妖艶な笑みは

今はもう、ない。



「っすまない…」

「……。
高尾くん行きましょ」

「お、おう
真ちゃんまた明日な!」


「さや…家に着いたらで構わない
連絡してくれ、心配なのだよ…」


「考えておくわ」



さやは緑間の手を振りほどき
背中を向けて行ってしまった。

高尾は焦ったように時々緑間を振り返る。

冷たい顔をしたさやは1度も緑間を見ることなく
会場を後にした。



「(ただの気まぐれよ)」



緑間を振り払うのも

高尾を連れていくのも


女王様のなすがまま










「なあさやちゃん
真ちゃんすげー寂しそうだったけどいいのかよ?」

「いいのよ、いつもの事だから」



高尾と並んであるくさやは
先程までの冷たい顔とは違い、穏やかなポーカーフェイス

モデルみたいな綺麗な顔が
自分の隣を望んであるいているなんて

夢…じゃねーよな?



「高尾くんってホークアイがあるんだってね」


「…!えー!なんで知ってんのー?」


「真太郎から聞いたのよ
ふふっリアクションが大きいね」


「それよく言われるわー!
なんかもう性分?みたいなー」





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