第5章 IH前
試合が始まる -------
まずはジャンプボール火神と外国人選手が飛ぶが
火神が高さ負けをして
まずは1本取られてしまう。
そこからは流れが新協高校に。
日向の3Pも止められ、高くて長い外国人選手に
手も足も出ない様に見えた。
(確かにバスケで高さはかなりのアドバンテージ
だからと言って、それで全ては終わらない)
「さや、お前ならどう攻める?」
目だけはコートから離さないまま緑間が聞いた。
その顔はまるでバスケをしている時の
さやの前では出さない、集中しきった顔だった。
ちらりと緑間を見てまたコートに目を戻した。
「そうね…
私ならまず股下を重点的に攻めるわ。大きい相手にはそれが1番効くのよ
それからフェイクをいれたドライブでかわすわ」
「…さやはいつでも
とんでもないプレーをするのだよ」
こちらを向きそっと微笑んだ緑間は
だが、そこがいい と言っている様だった。
さやも微笑みを返す。
妖艶さに優しさを被せて、伝わる様に
私のこの愛しい暖かい気持ちが…。
ビーー ------
ブザーが鳴りインターバルに入る。
すると緑間の奥の方から
誰かがずんずん歩いてくるのが目に入った。
よく見るとその男は秀徳の制服を身につけている。
「よお、真ちゃん
やっぱり見に来てんじゃねーか」
「高尾…なぜわかった」
高尾と呼ばれた男は緑間の隣に立ちコートを見つめる。
さやは高尾と聞いてピンときていた。
ああ、これが真太郎に
ちょっかいをかけてくるっていう高尾くんね と。
真太郎のLINEにちょくちょく出てくる
愚痴っぽい話の中にはかなりの確率で高尾の名前が出ていた。
「あれ、真ちゃんその隣の美女誰!?
しかも真ちゃん手繋いでない!?」
「うるさいのだよお前には関係のないことだ。」
「…そっか!この子が真ちゃんの彼女の!
初めましてー、俺高尾和成って言いますー」
高尾はさやに気付くと
緑間の隣からさやの隣に鞍替え
にこにこと話しかけてくる