第1章 主人公紹介と色々
「いい事だわ。私の、真太郎」
ふっと妖しげに笑うその顔は
妖艶で美しく 欲情的で 人を惹きつけてやまない。
その熱い瞳に誘われるように
そっと腰を屈め、顔を近付ける緑間
さやはそのままにっこりと笑い
それを許容する。
(拒否され、ない…
今日は本当についているのだよ…)
ちゅっと軽いリップ音を立てて
交わる唇
拒否されないだろうか
目を瞑りながら気配を探る
さやはいつも気まぐれで
緑間と付き合ってはいるが
自分の気に入らないタイミングでの
接触は絶対に許さない
他にも男がいて
さやの気持ち次第で"順番"が来る
(今は、俺の番じゃないはずなのだよ…
いや回ってきたのか…?)
久しぶりのさやの感覚に全てがどうでもよくなってくる
もっと深く、深く、さやを感じたい。
「っふ…さやっ…」
「んっ…真太郎っ…んぁっ」
突然、熱が離れた
驚いて見ると、先程よりより不機嫌そうな青峰が
さやをその腕の中に閉じ込めていた。
「何、するのだよ青峰」
「それはこっちのセリフだ緑間
今は俺の番だろうが」
ぎゅっと抱きとめ鋭い視線を向ける青峰
緑間は拳を握りしめ、青峰の腕の中のさやを見る。
欲しい。早く、さやが
「大輝やきもち?」
「ち、ちげーよバカ
俺はそんなんじゃ、ねー…」
「青峰…悪かった。」
「おう」
緑間がこれにあてられるのも仕方ねえ事だ
こいつは、こいつの傍にいると
どうしても手に入れたくて
触れたくて堪らねえ気持ちに駆り立てられる。
さやの香りもその熱も、毒だ。