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リンゴ

第4章 今吉翔一





くそっ、


なんでこんな事にイラついとんのや


こいつは男や。

ワシと同じもんぶらさげとる男!!


自分じゃどうしようも出来ない気持ちに焦ってばかりや。




「翔一さん、観念しますから
離してください。」



さやは両手をあげ、降参のポーズをしよる

まあずっと引き摺っていく訳にもいかんし
とりあえず離してやる。



「で、自分どこに住んどんねん」



前に学校に向かう途中で出会った場所まで
来たはいいがその先はワシにもわからへん。



「こっちです。」


さやはさっと立ち上がると
右に曲がっていく。

きちんと案内する気はあるようやな


ならまあええわ

と大人しくさやについていく。









Noside




今吉が案内され着いたのは
小綺麗なアパート。

学校からも比較的近く、駅からも近い。


(なんや高そうやな。
ここに1人で住んどんのか?)


「翔一さん
仕方ないから、家にあげます

でもここの事も、家の中で見たものも
絶対に他言しないでください」


「…へー、そんなに隠したい事があるんや
余計気になるわ」


「…教えてあげてもいいですよ
でも絶対に他言しないと約束してください

でなければ、次はありません。」



じろりと睨みつけるさやに
背筋につぅと冷や汗が流れる。

ほんま1年のくせになんて圧力なんや



「わかっとるわかっとるって
せやからそんな怖い顔せんでや」


「なら、いいです。
どうぞ。」



さやはアパートの入り口ドアを開けると
部屋まで案内した。




「邪魔するでー」



さやの部屋は1LDLでかなり広めの間取りだ。


今吉はリビングにある
黒い革のソファに腰をおろした。

男女共にとれる部屋のインテリアは

さやの趣味半分こうなる可能性を危惧した
監督の指示半分といった所だった。



「いま、飲み物いれますから
翔一さんはそこにいてください」





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