第3章 黄色との再会
青峰とは
連絡を返す約束をしてその日は終わった。
切ない声に罪悪感が生まれた。
けど今、青峰に会うつもりはない。
「(つまらないバスケはもうしたくない
どうせやるならやるとこまでやりたい)」
学校に向かう為歩いていると
いきなり後ろから肩に腕を回された
「よおー!おはようさん」
「今吉さんおはようございます。」
今吉は肩を組んでいた腕をさっと降ろすと
並んで歩き始めた。
「試合の後の朝練はやる気でぇへんなあ」
「そうですね。足が筋肉痛です」
「いやさやはそれいつもの事やんけ」
「え?」
驚いて今吉の顔を見る。
つい昨日まで確か紅林と呼んでいたはずだ。
「ん?なに、あかんかった?」
「驚いただけです。
……翔一さん?」
妖艶に笑うさやを見て
今吉は足を止め、目を離せなくなってしまった。
…あかんわコレ
ゾクッときたで
ただちょっとからかうつもりで
呼んでみただけだった
他の奴らはみーんな紅林って呼んどるし
さやって呼んだら
どんな反応するかと思っただけや
「(男相手にこんななるやなんて
最近女抱いてへーんからや。そうに決まっとる)」
「どうしたんですか?」
「いや、なんでもないわ
しゃーなし特別やで。名前。」
「そうですか…
それはありがとうございます」
にこっと笑いかけるさや
それがどうにも綺麗で
今吉はこれ以上惹かれてしまわないように
顔をそむけた。
「(いいなあこの人。
…ちょっと欲しくなっちゃった。)」
笑った意味も分からず
頬が赤く染まる今吉を見て
ふつふつとさやの悪い欲望が
膨らんできた。