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リンゴ

第3章 黄色との再会







朝練もこなし
1番最後にロッカールームに入り
さっと着替えると体育館の入口で今吉が待っていた。



「さや着替えんのおっそいなー」


「そうですか?
モップがけやってたからですかね」



朝と同じように並んで教室に向かう
3年生は3階で1年は1階なのですぐに別れることになる。



「さやお前本当キレーな顔しとるな」


「ありがとうございます
今吉さんも十分素敵ですよ。」


「お、おう。おおきにな
あー、さやって休日いつも何しとん?」



頬をポリポリとかきながら
そんな事を聞いてくる今吉にさやは疑問をもつ

これが聞きたくて待っていたの?

今のさやは男であるはずなのに
こんな風に聞いてくるなんて…。



「(まさかね。)
部活が終われば大体ストリートにいます」


「え!?嘘やろ?
あんなへろへろになっとんのに
まだバスケやっとんたんか…。」


「失礼ですね!
まあ今の所他に予定はないですよ?翔一さん」



小馬鹿にしたように言うさや
今吉はカアッと頬が熱くなるのを感じた。



「…何がやねん
なんや一緒に遊びたいんか?」


「いや、違うならいいですよ

あ、もうHR始まる。」



時間を見ると開始5分前
1階のさやはともかく今吉はかなりギリギリだろう

少し立ち話が過ぎたかと
急ぎ教室へ向かおうとする



「そう言えば、今吉さん俺今日部活休みますね」


「え?は?なんでなん!?」



今吉の声は届かずさやは一足先に
自分の教室に入っていった。

今吉は一瞬呆けたが
すぐに時間を思い出し階段を駆け上がった。



「(あー、誘えんかった。
単純な事や。ただちょっとバッシュ見に行こうでも
なんとでも言えたはずやのに。)」


「意地はらんとよかったなー」


「ん?何がだ?」



自席に倒れ込むようにして
着席した今吉に諏佐が声をかける。

また少し汗をかいてしまった。



「なんでもあらへん」


そう諏佐に笑いかけるも
先程のさやとの会話が頭から離れない

また、再チャレンジや…







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